『SOUTH TO SIAN』
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Deus Surfのカメラマンでフィルムメーカーのダスティン・ハンフリーが、ハリソン・ローチとZ・ノリスに無鉄砲としか思えないビッグ・プロジェクトを持ちかけた。
サーフィンとバイクをこよなく愛する2人にとって、理解できないことが2つあった;ひとつは、人生を変えるかもしれないチャンスが、なぜ与えられたのか、そしてもうひとつは、長い冒険の旅のスケールの大きさと体験がもたらす未知数だった。
あまり知られていないサーフ・ブレイクを回る旅のはずが、冒険と友情、4000キロに及ぶバイクの旅になった。
それは、現代生活という現実世界が課す重荷からのシングルフィンによる逃避でもあった。
2人は現実の生活やお金、仕事、社会のめまぐるしさから、後先考えずに逃げ出した。ジョセフ・コンラッド作『闇の奥』の現代版である。
古代の火山の灰に覆われた斜面をバイクで走り、フォレスト・ミンチントン、アジィ・アガシと合流。またマット・カディヒィやルーウィ・ダンら昔からのそして新しい友人たちと海での冒険を続けた。
一方、インドネシアの陸地の冒険では、見知らぬ人たちの友情に助けられる。
荷造りをし、多様なボードのクイバーと2台のバイク、テントを1970年代のランドローバーに積み込んで、2人はバリ島の南部から冒険を求めて旅立った。
友人たちのネットワークを使いながらインドネシア群島を経由して、スマトラ島北部の島にあるラグンドリ・ベイが目的地だ。
ボードとバイクに乗り、ボートと4輪駆動を走らせる。彼らのミッションは、GPSと Wifiに囲まれた現代において、本物のサーフ・アドベンチャーが可能なのかを、身を持って知ることだ。
エキゾチックで息をのむほど美しいインドネシアの景色を背景に、2人は人生に新しい意味を見つけ、社会の壁や束縛を破り、自分自身のルールを定め、自分を信じることさえできれば何が可能なのかを再定義した。
サウス・トゥ・シーアンはサーフ・フィルムでもバイク・フィルムでもなく、トラベル・ドキュメンタリーでもない。それらすべてを合わせたもの以上だ。ハリソン・ローチが担当した脚本とナレーションは、哲学的考察や意味深い会話に溢れ、我々観る者の洞察力を試している。旅についてでも場所やその地での冒険についてでもなく、人間の心理や我々が自らを閉じ込めている檻、そして人生の本当の可能性について問いかけているのだ。
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